■ C94新刊 彼女たちの艶戯 サンプル ■






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■ローマ式露天風呂のツカイカタ■






 気づけばネロ・ブライドは完全にオレの太ももの上にまたがる形になっている。正直、まずい状況すぎる。何せまったくオレの股間のモノは収まりを見せていないわけでありまして。もし彼女が気まぐれにこの体勢のままずり上がってきたりなんかするともろに当たってしまうんですが。
「くふ。くふふふふ……」
 そしてネロ・ブライドってばオレを見つめながら、ひどく不吉な笑い声を漏らしている。
「まあ、つまりであるな立香。今この場所には余と貴様の二人だけ」
「ええと……ネロさん? ネロさん?」
 思わずさん付けしてしまった。何というか、特異点修復で生命の危機を感じるのとは別の戦慄が背中を駆け抜けた気がして。
「カルデアの中ではこうはゆかぬからな。何せ風呂が男女別などとは実に無粋!」
「いやそれは仕方ないというか」
「ゆえに誰からも邪魔の入らぬこの場所で! 余が遠慮する道理などは欠片もないということだな!」
 首元に絡められていた彼女の右手がオレの胸板を滑り落ち、お腹を過ぎてさらにその下へと。
「ひゃうっ!」
 握られた。ヘソまで届きそうな勢いで反り返り勃ち上がっていたオレのチンポを、彼女の右手が握りしめてくる。痛みはもちろんなくて、でも絶妙な密着感を与えてくれる力加減で扱かれる。。
「今日は余が手ずからねぎらってやろう。光栄に思うがよい!」
 手ずからって、文字通りの意味ですか!?
 思わず叫びそうになったけど、声にはならなかった。だって塞がれてしまったから。ネロ・ブライドの唇で。
 例えばマリーが親愛の形でしてくれるものとは明らかに違う、意図を持った口づけがオレの唇を弄んでくる。うん、弄ばれてる。ネロ・ブライドの思うがままに。
 右手の方も止めるどころか、しなやかな指で輪を作って、カチコチの竿の部分を扱き立ててくる。自分でオナニーするのとは明らかに別物で、彼女が手を動かす度に越したふわふわと浮いてしまうような錯覚を覚えてしまう。
 ネロ・ブライドの唇が離れていく。名残惜しくて思わず小さな声を漏らしたら、彼女が満足そうに顔を綻ばせてくれる。
「まったく、顔の割にずいぶんと立派な魔羅をぶらさげておいて。もっと使ってやらねば宝の持ち腐れであろう?」
「ま、魔羅って」
「ふふ、別の呼び方の方がいいか? 逸物、オチンチン、オチンポ……貴様の望むように呼んでやるぞ?」
 ネロ・ブライドが向かい合ったままオレの肩に顎をかけてくる。疲れて一休み? そんなわけなかった。だって右手の動きは巧みさを増して、もう限界だと思ってたのにさらに固くパンパンに張りつめてきてしまってる。
「余の手に余るほどとは……これほどの名剣、心を込めて手入れしてやらねばならぬな」
「ひゃっ!」
 耳たぶを甘噛みされた。
「おうおう、生娘のような反応を見せおって」
 そう言ったネロ・ブライドの声色が変わる。顔は見えないんだけど、さぞかし意地の悪い笑顔を浮かべている気がする。
「そうか、そうかそうか立香よ。貴様まだ女を知らぬ体であったか」
「あああああ!? そ、それは……その……」
 皇帝陛下。それは人を殺せる言葉です。
 実際その通りなんですが、素直に肯定できるほど達観しているわけではなくて言葉に詰まってしまう。
 背中にネロ・ブライドの腕が回されてきた。そのままぎゅっと抱きしめられる。
「ふふ、恥ずかしがる事などあるまい。初陣は男に必ず訪れる。どのような戦いであれ、それはこの先の貴様の良き糧とするべきものだぞ」
「ね、ネロ?」
「ゆえに此度の戦い、余が相手を務めてやる事を一生の誉れとするがよかろう!」
 ネロが顔を上げて、じっと俺を見つめてきてそう口にする。
 そ、それはつまりそういう事ですよね。いやここまで来てこの後何も無しとか言われても、いくらオレだってそんなの我慢できる気がしなかったけど、でも改めて言われると何とも頭の中が煮詰まってしまって。
「よ、よろしくお願いします」
 思わずそんな事を口走ってしまった。一瞬目を丸くしたネロ・ブライドはすぐに小さく噴き出して、
「困ったマスターよな。そんな事を言われてしまえば、余はもう思うが儘に貴様を味わう事に決めたぞ!」
「お、オレが何言っても最初からそのつもりだったりしませんか?」
「無論である!」
「ですよねー!」
 なんかこう、これどう考えても男女逆の反応してる気がするんだけど。そもそも経験とか心の余裕とか覚悟とかそういうの圧倒的に違いすぎるんだから仕方ないと思う。
「ほれ、そこの岩棚に腰掛けよ」
 ネロ・ブライドがオレの太ももの下に左手を回して持ち上げようとしてくる。それに従い腰を浮かせて、オレはそのまま背中を預けていた岩の平らな部分に腰を下ろした。
「うわぁ……」
 自分でも見た事のないくらい、股間のモノが逞しくそそりあがってしまってる。向かい合ったネロ・ブライドがその前で膝をついて見つめている状況が現実離れしすぎてて、脳の認識が追い付いてこない。
「さて、余もそろそろ我慢の限界ゆえな。無理をせよとは言わぬがあんまり早く果ててくれるなよ?」
「ふぁ、ぁぁ……!」
 情けない声が飛び出てしまう。
 だって、ネロ・ブライドが、その大きなおっぱいでオレのを挟み込んでくれている。
 パイズリなんてものを、雑誌やAV以外で見ることあるなんて思っていなかった。しかも自分が経験するなんて。それもネロ・ブライド相手に。
 先ほど指で弄ばれたのとはまた違う。隙間なくチンポ全部を包み込んできて、ゆるゆると扱き立ててくる。火照った彼女の体の熱が燃料になって、そそり上がった肉竿が蝋燭みたいに燃え尽きるんじゃないかって思ってしまう。
「くふ、この果報者めが。薔薇の皇帝たる余の奉仕を受けられる事を光栄に思うがよいぞ?」
 ばしゃばしゃとお湯を跳ね上げながら、ネロ・ブライドが体を上下に揺らしてくる。隙間なくおっぱいに閉じ込められたオレのムスコは彼女の思うがままに弄ばれてしまう。
 温泉のせいなのか。彼女も興奮してるのか。ほの赤く色づいた双丘の間から赤黒く張りつめた亀頭が飛び出すのを、愛しそうに潤んだ瞳で見つめている。
 奉仕しているなんて大嘘だ。一から十まで、オレはネロ・ブライドのやりたいようにされているだけ。
 でもそれが何よりも気持ちよくてたまらない。
「そなたのオチンポも、余の乳房の中でひくひくと喜んでおるな? そろそろ我慢できぬか?」
「あふ、それ、くすぐった……」
 竿を扱きながら、ネロ・ブライドがぎゅっと体を寄せてくる。固くしこり勃ち上がってる彼女の乳首が、オレのヘソの周りを円を描くようにこすってくる。扱かれているものとは違う緩やかな快感が波のように襲い掛かってきて、もうギリギリまで高まってる射精感に追い打ちをかけてくる。
「うむ、精を放つ間際の男の顔というのはいつ見ても無防備で愛らしい。貴様であればなおの事よな!」
「ああ、駄目だ……少し緩めて……!」
「ほれ、まずは一度放ってしまうが良かろう……んむ、ん……」
「んぁ!? そ、れ……無理……!」
 亀頭が湿った熱い感触に包み込まれる。自分のおっぱいに顔を埋めるようにしてるネロ・ブライドの姿を見て理解する。
 咥えられてるのだ。あの可愛らしい小さな唇が、グロテスクなチンポの先端を咥えてる。それだけじゃない。舌先が鈴口を突っつきこね回してくるのも感じられる。
 竿を乳肉で包まれ扱かれ、亀頭を唇と舌で弄ばれてる。あまりにも刺激が強すぎたその攻撃で、堰はあっさり切れてしまった――


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■魔女の秘蜜の契約交渉■




 襟元のファスナーに手を伸ばして、少しずつ、少しずつ焦らすように引き下ろしていく。焦らされているのが彼なのか、それとも自分なのかよく分からない。おへその辺りまで引き下ろしたから、今にもワンピースの合わせ目がめくれて、おっぱいがこぼれ出てしまいそう。
 なのに立香ときたら、顔を背けてしまうだなんて! 耳の先も首元も真っ赤にしているくせに、間近で見るのを拒んでる。
 ああ、腹立たしい。口惜しいわ。
 この浅ましく薄汚れた女の体など、見る価値がないという事ですか。
 いいえいいえ、そうではないという事は、私の理性は理解している。それはマスターとして、サーヴァントに対する美徳なのでしょう。でも、今の私はそんなおためごかしを求めていない。
 男らしく浅ましい欲望をむき出しにして欲しい。決して諦めることなく人理を救ったその強い意思の篭った視線で絡めとり、蔑み汚して欲しい。
 新宿で時を過ごした他人ではなく、私を。私だけを。
「駄目よ、マスターちゃん。目をそらすなんて罰ゲームから勝手に降りるような物じゃない……!」
「むぐっ……!」
 だけど私は意地が悪くてひねくれているから。自慢のこの美脚を惜しげもなく晒し伸ばして、彼の頬に足裏を押し付ける。
「見せてあげようと思っているから、ここにいるのよ? 私を。私の全てを。私がどんな女なのかを、マスターであるあなたは見届ける義務がある。違う? 違わないわよね?」
「だ、だったらもう少しやりようって物が……」
 ブーツはもちろん脱いでいるから、それほど痛くは無い筈だけど。だからって女に顔を足蹴にされて愉快な筈はないわよね。さすがに声を荒げた立香がようやくこちらに視線を向けて。
 ああ、やっと気づいてくれたわね。
 丈の短いタイトなデザインのこの服で、はしたなく足を振りあげ伸ばしているのだから、当然裾はずり上がり、捲くれ上がってしまう。
「は、は、はははいてな……!?」
「あらマスターちゃん。ようやく見てくれるつもりになった?」
 押し付けていた足を戻して、片膝を立ててゆるく腿の間を開いて彼に見せつける。ええ、もう腰の辺りまで捲くれ上がっているからよく見えることでしょう。
 彼の言う通り、今の私は下着を身に付けていない。貞淑に隠すべきソノ場所を、彼の視線に全て晒している。髪の色と変わらない陰毛も、その下の生々しい女そのものも。
 猛り狂う復讐の炎とは別の熱が、今の私を急き立て走らせている。獣めいた欲望が溢れてソコから滴り落ちそうになっている。
「ねえ、マスターちゃん。ちゃんと見ていてくださいね? さっきみたいに目を反らされたら……私はきっと怒りに任せてその綺麗な両目をえぐって燃やしてしまうわ」
 意地の悪い微笑を浮かべながら、私はゆっくりと右手を股間に滑らせていく。指先に伝わる熱く濡れた感触。陰核が既に固く勃ち上がってしまっているのが分かるけど、今はソコには触れない。突き刺さるような立香の視線に晒されてそんな所に触れてしまったら、私はこらえる事など出来ずに達してしまう。
 綻び掛けた陰唇に指をそえ、ゆっくりと開いていく。肌とは違い私の体の中で人らしく血の通った色をしているそこから、蜜が滴り立香のベッドのシーツを濡らして染みを作ってしまう。彼はどんな顔をして、これをクリーニングに出すのだろう。そんな下らない事が頭を掠めて、思わず吹き出しそうになっちゃう。
 くちゅくちゅと下品でいやらしい音が彼の部屋の中に響き渡ってる。それが自分の股間から出てるんだと思うと、恥ずかしさで顔から火が出てしまいそうだわ。私の場合はそれが笑えない冗談になりそうなんだけど。
 茫として、頭の奥底が痺れている。潤んだ視界の中で、彼のズボンのソノ部分がしっかりと盛り上がっているのが見える。
「はあ、あ……ね、ねえ、マスターちゃん。どう?」
「な、にが……どう、って」
 呆然と、でも私の右手の動きに目を吸い寄せられたまま、呻くように彼が声を出す。それが私の体の奥底の悦びを煽り立ててくる。
 だってそうでしょう? 食い入るように見つめて、ちゃんと股間を反応させてくれる程度には、私に関心を持ってくれているって事じゃない。
 なら、もっともっと見せつけてやらないと。
 左手でワンピースのファスナーを更にずり下げて、両の乳房も完全に彼の前にさらけ出す。もちろんブラジャーも身に付けていないから、ぷっくりと立ちあがった乳首も全て立香に見える筈。
「ああ、最高だわ……! マスターちゃんのそんな顔が見られるなんて」
「あ、当たり前だろ、その、そんなもの見せられたら……」
「ねえ、どちらに興奮してるのかしら。私のこのおっぱいに? それともさっきからおツユが溢れ出して止まらないこのオマンコに? ねえ、どっち? どっちに興奮して、アンタはそんなにオチンチンおっきくしているのかしら?」
 お互いの秘部をあえて卑俗な言葉で口にする、その事に私もさらに興奮してしまう。彼を拘束した時から。いいえ、この部屋に今日、来ると決めた時から私の頭の中は既にコワレテしまっているのだけど。もう彼も壊れる寸前なのが手に取るように分かる。
「こ、れは……!」
 勃起しているのを隠そうと慌てて腰をもぞもぞと動かしているけど、後ろ手に拘束されているのだから無理な相談よね。先ほどまでの紳士的な対応なんかもう羽が生えて飛んでいってしまってる。目を閉じたり顔を背けたりなんて思い至る様子も無く、完全に私の右手とソノ下に吸い寄せられている。
 そしてその突き刺さるような視線が、私を際限なく昂らせてしまう。
 もうココだけでは足りない。もっともっと、浅ましい私の全てを彼の眼に焼きつけてしまいたい。もう他の誰を見ても、私の姿しか思い浮かばないようにしてしまいたい。
 彼が枕にしているクッションに手を伸ばして引き寄せると、それを腰の下に敷いて仰向けに少し仰け反るような格好をしてみせた。
「は、あ……ぁぁ……どう、なの? マスターちゃん、よく見えるわよね? オナニー止まらなくてどろっどろの私のオマンコ、どうなってる? 教えて?」
「そんなの、言える訳ないだろ!」
「は、あ……! そんなんだから、アンタは駄目マスターなのよ……!」
 ああ、思ってる事と反対の事を言えば良いだけなのだから、本当に簡単。私のような駄目サーヴァントに弄ばれている、哀れで優しく愛しい愛しい私の立香。
 だけど私はひねくれ者だから、自分から素直にそんな言葉は口に出来ない。死にたくなるほど恥ずかしい思いを味わっている、彼の姿を独り占めしたい。お礼は後でちゃんとしてあげるのだから、等価交換正しい契約の予定よ。
「言って。言いなさいよ。ねえ、自分の契約してるサーヴァントの状態を把握するのもマスターの大事な仕事でしょう?」
「この……!」
 わざと意地の悪い表情を浮かべてあげて、ようやく彼も吹っ切れたみたい。
「ああ、もう! 分かったよ! 言ってやる! オレの目の前で下半身も丸出しおっぱいも丸出しの変態アヴェンジャーが三本も指をアソコに突っ込んで抜き差し止めずに喘いでる! 世界中どこ探したってこんな事する英霊様なんかいやしないよ!」
「あふ、あ、あら、アソコじゃ分から、ない……わよ? 言葉は正確に使うものじゃないかしら?」
「ああああ……! もう、鬼か君は……!」
 ええ。魔女ですもの。
 にっこり微笑んであげると唸り声を上げた彼が声を跳ね上げて、
「オマンコに! オレの目の前でジャンヌオルタは自分のオマ……あぁ!?」
 言い掛けた彼の言葉がどこかに飛んでいってしまった。
 右手はオシゴトで忙しいから、開いた左手をお尻の方から回して加勢させただけなのに。どこにって? 決まっているじゃない。秘裂の下の、不浄の穴へ。
「ひぃ、あ……ちょ、ちょっと、キツイ……かしら?」
 シーツに染みを作るほど滴り落ちてる愛液のせいで、肛門の回りもしっかり湿り気をおびてしまってる。ほぐれてるとまでは言わなくても、自分の左手の中指一本くらいは簡単に飲み込んでいく。
 ……実の所を言えば、ココを弄るのは割と手馴れてしまってるんだけど。
 立香の事を考えているうちに、物足りなくなってして何度も何度もしてしまった。最初の頃は自己嫌悪に落ち入っていたけれど、今ここで抜群の効果を発揮しているのだから問題ない、んじゃないかしら。
 だってほら、潤んだ視界でもよく分かる。声を出す事すら忘れて、私の両の手が織り成す淫らな動きに釘づけになってしまっている――

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■アルテラさんのイケないオシゴト■






「これは……恥ずかしい、な。こんな格好をさせるだなんて、ひどいマスターだ」
「お仕置きだからね。恥ずかしがってもらわないと」
 立香の前には、本棚の縁に手を掛け、尻を突き出した格好のアルテラがいる。スカートは腰までまくり上げられ、引き締まりつつも女性らしい丸みを帯びたお尻が丸出しにされている。両脚は緩く広げているので、その付け根の陰部も彼の目にしっかりと晒されている。
「ダメだよ、アルテラさん。オマンコからおツユこぼれさせて……お仕置きなのに」
「ああ、そんな事を言うな、マスター……聞かされると、どうしようもなく恥ずかしくなってしまう」
 そう口にしつつもアルテラの目は潤み、吐息にも熱がこもっている。期待に胸を膨らませ、昂っているのは明らかだった。
 なら、こちらも全力で応えてあげないと。
 立香は無防備なその尻肉に向けて、手を振り下ろす。
「ひうっ!?」
 甲高い音が部屋に響き渡り、アルテラの小さな悲鳴が後を追う。
「勝手に部屋に忍び込んできて、オレのチンポ美味しそうにしゃぶり始める悪いメイドさんには、しっかり身体に教え込まないと、ね!」
「は、ひ……! あ、ああ。そうだ。私は悪い、メイドさんだから……ひんっ! ば、罰を受けないと……!」
 立香の手が振り下ろされるたび、アルテラは苦痛をこらえるように体をわななかせる。
 もちろんサーヴァントである彼女をたとえ本気で殴りつけたところで、立香では傷の一つも付けられない。だから彼女に伝わっているのは立香の思いそのもので、それを受け止めているからこそ彼女は本気で痛みとして感じている。
 しかしその境界線はひどく曖昧で、容易に惑い錯覚に心を溺れさせる。
「――駄目じゃないか、アルテラさん」
 尻を叩く立香の手が止まる。褐色の肌に赤く浮かんだ腫れを、ゆっくりと、円を描くように撫でまわす。そのまま丸みに沿って下がらせ、太ももの間へ滑り込ませる。
「アルテラさんのエッチな汁、こんなに滴ってきてる。膝まで届きそうだよ」
「はぅ、あ、ぁぁん……だめ、ソコ、触っては……!」
 立香は右手の人差し指で、陰裂の周りを縁取るようになぞり回す。決して内側には触れないように、ギリギリを何度も行きつ戻りつさせていく。その度にアルテラは体を震わせ、歯を食いしばって少しでも声をこらえようとする。
「イっちゃだめだよ? お尻叩かれて感じちゃうようなエッチなアルテラさんにお仕置きしてるんだから」
 普段アルテラと体を重ねるときとは明らかに違う悦びを覚えている事を自覚して、立香の口元に笑みが浮かぶ。
 アルテラは例えようもなく美しい。その顔はもちろんその指の先つま先に至るまで、丹念に心を込めて彫り上げられた彫刻と見まごうばかりだ。それでいて、抱えている心はアンバランスなほどに好奇心が強く、純真で、そして慈しみ深い。
 そんな彼女が今、スカートをまくり上げ裸の尻を高々と掲げて、己の秘部を露に晒しながら痛みと快楽の狭間でわなないている。男として、嗜虐心をわずかばかりでも備えていれば刺激されない方が嘘というものだ。
 立香の指が、ついに秘唇をなぞり上げる。
「ひぅっ!」
「ダメだよ、声を上げちゃ。お尻叩きを追加しちゃうよ?」
「うぐ……わ、わかった。我慢するぞ、マスタ……は、ひぅぅぅっ!」
 立香の指が二本に増える。閉じた秘唇になじませるように指先で円を描きながら、ゆっくりとその内側へと潜り込ませていく。
 もちろん罰も忘れるわけにはいかない。左手を彼女の尻に振り下ろすと、濡れた声で彼女がいななく。
「凄いな、アルテラさんの膣内。熱くてドロドロでオレの指先に絡みついてきて。溶けちゃいそう」
「や、ぁ……駄目だ、マスター、そんな事を言っては……くぅぅ……」
「食いしん坊なのかな。指に吸い付いて放してくれないもの」
「はぁ、や、ら、らめ……中から壁、こすっちゃ……ひぐぅ、耐え、られ、な……!」
 限界が近いのだと、アルテラの声色が伝えてくる。尻を叩かれる痛みもすでに彼女の中では快楽そのものになっているのだろう。
 だから、立香はアルテラの膣内から指を引き抜いた。
「え……」
 狂おしいほど切なげな呟きが、アルテラの口から漏れる。
「イッちゃダメだって、最初に言ったはずだよ? このままだと約束守らずにイッちゃいそうだったもんね。エッチなアルテラさんは」
 首をよじり、潤んだ目で見つめてくるアルテラに向かって、立香は意地の悪い微笑みで答える。
「ま、マスター、わ、私は……エッチ、なのか。いやらしい、浅ましい娘、なのか……?」
「もちろん。だってオレの手、今のだけでこんなになっちゃってる」
 彼女の股間から離した手を、立香はアルテラに見せつける。指はおろか掌まで彼女の愛液でぬめり、てらてらと光を放っている。
 アルテラが小さく息を飲む。自分の体の反応に、それを引き出した立香に。
「ああ……ああ、わたしは、いやらしいな。立香の手をそんなに汚してしまって、罪深いな……」
 言葉と裏腹に、彼女の顔は悦楽に蕩け、その眼の端には涙が浮かんでいる。
「これじゃお仕置き続けられないなぁ。ねえ、アルテラさん?」
「ああ、分かっている……綺麗にしないと、な」
 潤んだ眼を期待に輝かせながら、アルテラは突き出された立香の右手に舌を絡めていく。己の愛液に塗れた彼の手を、丹念に舌を這わせて舐めとっていく。犬が水を飲むようにぴちゃぴちゃと音を立てながら、熱心に吸い付く彼女の姿は凛とした普段の姿からは想像するべくもない。
 立香の興奮もいや増して、ズボンを押し上げたペニスはきつく張りつめ痛みすら覚えてくるほどだった。
「あ……!」
 舐めしゃぶっていた彼の指を引き抜かれ、アルテラは名残惜しげな吐息を漏らす。
「うん、もういいよ。綺麗にお掃除してくれたアルテラさんに、ご褒美をあげる」
「ご褒美……?」
 すぐにその言葉が飲み込めず、胡乱に呟くアルテラの様子が可愛らしい。立香は突き出された彼女の尻の後ろで膝をつき、両の尻肉に手を掛け、ゆっくりと広げていく。
「ひぃっ!? ま、マスター、何を……!?」
 アルテラの声がひっくり返った。立香がそのまま彼女の秘唇に吸い付いたからだ――









■メルティトキシックマイハート■





 ため息が彼女の口から漏れ出でる。自分が思い悩んでいる事など立香は知る由もないのだろう。彼に分かるのは、メルトリリス渾身の作である、チョコレートの味だけだ。
「……後生大事にしまい込まず、さっそく食べているのね。感心だわ」
 メルトリリスの呟きに、かすかに熱がこもる。もちろん彼女が今いる部屋に立香がいるわけではない。比較的新参者の彼女があてがわれた部屋は、彼の部屋からは大分離れた場所だ。
 メルトリリスに千里眼のスキルが備わっているわけでもない。それでも今、立香が彼女謹製のチョコレートを口にしているのが分かるのには理由がある。チョコレートが文字通り彼女の分身のようなものだからだ。
 「毒を仕込んだ」という言葉の全てが嘘ではない。蜂蜜の中には確かに、メルトリリス自身の成分が忍び込まされている。もし強度を上げていれば、内側から彼の体を蝕み蕩かし、後でメルトリリスが吸い上げるための養分に変わってしまう事だろう。
 もちろんそんな意図は彼女にはない。魔力供給用のパスを繋ぐように、立香と彼女との間で緩やかな繋がりが結ばれるだけ。それはまるで、彼の内側に少しずつ自分が染みわたっているような錯覚をメルトリリスに与えてくる。
「美味しい? 美味しいわよね。そんなにがっつくように食べてるんだもの。よく分かるわ」
 くすくすと小さな笑い声を漏らしながら、メルトリリスはたどたどしい手つきでコートの前止めを外す。襟元が外れ、隙間からあらわになった胸元の柔らかくなだらかな丘陵。袖口をたくし上げ指を出し、鮮やかな桃色の先端をつまみ上げ、転がす。
「ん……ふぅ……」
 メルトリリスの体の中に、凪の海のような穏やかな快楽が湧き上がってくる。己の指先が生み出したもの、ではない。過敏なパッションリップはもちろん、BBとも比較にならない程に彼女は刺激に対して鈍感だ。肉体は刺激に対して反応しても、神経がそれを脳に伝える事を妨げている。
 では何に対して感じている快楽なのか。
「ふふ……いつもは溶かして吸い上げるだけだけど。自分がそれをされるとこんな感じなのね。悪くないわ……」
 枕に顔を押し付けながら、火照った声でメルトリリスは呟く。マスターである立香の状態と自分がとシンクロしていくのが分かる。もっと「毒」の強度があれば、あるいは彼の一挙手一投足まで支配下に置く事ができたかもしれないが、そんな事を彼女は望んでいない。普段は味わう事ができない互いの状態を脳が認識して、気持ちの高ぶりが抑えられないだけだ。
 やがて伝わってくる立香の感覚が変化を遂げている事に、メルトリリスは気づいた。
「あら……あら、あら。もしかして、そういう事なのかしら?」
 メルトリリスの頬が緩む。己の乳首をつまみ上げ、コリコリと弄ぶ。その事自体が呼び起こす快感は本当にささやかではあっても、肉体自体は反応し勃ち上がっている。しかし大事なことは、自分の指使いに合わせて確かに立香が興奮している事が伝わってくるという事だ。
 ひどく体が火照り、気持ちが昂る。その理由を立香は分かっていないだろう。食べているチョコレートに酒でも使われていると思っているのかもしれない。
「言ったでしょう? 食べたら天国逝きよって」
 そう呟きながら、メルトリリスは右手を胸元から滑らせていく。完全に均整の取れた至上のラインであると自負している腰で止まり、慎み深く己の体を隠しているアンダーアーマーの鎖に指を掛ける。
「ああ、はしたない事だわ本当に……!」
 わざと口に出すその言葉が我が事ながら白々しい。目の前にもし立香がいればどんな顔をしたことやら。吹き出しそうになるのをこらえながら、メルトリリスは鎖の留め金に指を掛け、それを取り払う。
 無毛のすべらかな股間の奥、淡く桃色に色づいたメルトリリスの秘裂が露になる。どれだけ扇情的な衣装や立ち居振る舞いをしてみせようと、ここだけはかたくなに覆い隠し人目に晒す事などしない場所。それを目にする事ができるのは、悦楽の毒に溶かされ、彼女の中に取り込まれる哀れな犠牲者か、あるいは。
 滑らすような指づかいで、縁をなぞり上げる。わずかな湿り気を感じて、メルトリリスの口から吐息が漏れる。
「分かるわ……分かるわよ、リツカ。そろそろ我慢できなくなってきてるの、伝わってくるわよ……」
 藤丸立香は健康な人間の男性だ。感覚に障害を抱えているメルトリリスとは違い、肉体の反応を素直に認識するし刺激も快楽として十全に受け取ってしまう。
 二重にパスが繋がっている今の彼には、メルトリリスの肉体が本来受け取っている刺激が必要以上に流れ込んでいるのだ。
「っふぅ、ねえ、こうして、あげれば……どう?」
 ちろりと出した舌先で舐めた指先を、メルトリリスは再び己の股間に這わせ、ゆっくりと秘唇に割り入れていく。普段なら行う事も意味もない自慰行為だが、今の彼女には止まるつもりがない。
「あふ、ん……! 凄い、わ。まるで全身の血液がソコに集まってるみたいじゃない……!」
 指先に伝わる秘肉の中は潤み、熱く蕩けているようだった。指先でソコをこね、膣肉を内側からなぞり上げる。意識して激しい指使いを繰り返す度に、立香の体が感じている快楽が間を置いてメルトリリスに伝わってくる。ラグを挟んだ性感が、彼女の興奮をいや増していく。
「は、ぁ、ぁぁぁぁ……ぼ、勃起しちゃってるわね。ガチガチになっちゃって、どうしたらいいか困ってるわね……ん、ふぅ……」
 チョコレートを食べただけでどうして。困惑しつつも萎える様子のない自分の体の反応を持て余している立香。その姿を想像するだけで、己の奥底の本能が鎌首をもたげ猛りだす。
 メルトリリスの指遊びは止まらない。ぷっくりと勃ちあがったクリトリスを摘まみ上げる。繋がった快楽の波に弄ばれ、声にならない悲鳴を上げる立香の感情が流れ込んでくる。
「ひぃ、い、いいわ……! も、もう限界でしょう? 諦めてラクになってしまいなさいな……!」
 片手では足りない。仰向けになり、指を使いやすいように膝を立て両側に開きながら、メルトリリスは両手の指を使って秘肉の入り口を、クリトリスを攻めたてる。手首まで伝わるほどの愛液に塗れた手に視線を落として、彼女の頬が赤らむ。
 これをそのまま感じる事が出来れば、果たしてどれだけ乱れてしまうのだろう。ハイ・サーヴァントであることも忘れ快楽に溺れ海の底に沈んでしまう事だろう。
「か、くふっ!?」
 ふいに股間を突き抜けた激しい刺激に、メルトリリスは思わずせき込んだ。今までに一度も感じた事のない、確かに性的な刺激がもたらしてくる違和感。その正体に気づいた彼女はほくそ笑んだ。
「ああ、しちゃってるのねリツカ……! 自分の手で、寂しく、我慢する事出来ずにオナニーしちゃってるのね……!」
 マスターの側の感覚が襲い掛かってくることはメルトリリスも想像していた。しかしこれほどまでに強い感覚だとは。わずかな戸惑いを、すぐに喜びが塗り潰していく。彼をその状況に急き立てたという事が、殊更に嗜虐心を掻き立てる。
「ねえ。ベッドの上で背中を丸めてシているのかしら。それとも、周りを汚さないようにシャワールームでシているのかしら。情けないわね。みっともないわね。それでも私のマスターなのかしら……!」
 目の前に立香がいるかのように、メルトリリスは声で彼を攻めたてる。その間も指は止めない。押し寄せてくる彼からの快楽の波もその大きさを増してくる。どちらが正解なのか、もう彼女にも判別がつかなくなってきていた。まるで自分の体が彼と完全に一つになってしまっているかのよう。
「は、ぁ、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」
 メルトリリスの声が跳ね上がった。目の前が白く染まっていく。ひときわ大きな波に、全身をさらわれ振り回されるかのよう。
 立香がイッたのだ。そして自分の肉体も。感情の高ぶりが少しずつ収まっていく中、己の体液でドロドロに汚れた手を透かし眺めながらメルトリリスは含んだ笑い声を漏らす――






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この続きは会場にて! よろしくお願いいたします!


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