はーい皆さん初めまして♪
 私の名前はアルク、3人姉妹の次女で私たちは『猫の目』と言う喫茶店を経営してるの。
 プラティナブロンドに抜群のスタイル、自他共に認める生きる芸術品と言っても過言ではないわね♪
 ちなみに長女のシエルは妙齢(ぷっ♪)のカレー好き、いやそんな形容詞じゃ治まらないわね。
 365日3食カレー、まあお客にはシエルのカレーは好評だけど一緒に暮らす私達にはたまったもんじゃないわ。
 常に全身から香辛料の匂いを漂わせてるの、おかげで喫茶コーナーと軽食コーナーを分けて隔離してるわ。
 それから末っ子のアキハは高校生、まっ年齢だけはね。
 身体年齢は中学生といった所かしら、いやそれも失礼かな?
 中学生にね♪
 あっそうそう大事な事を忘れていたわ。このお店の常連で『わ・た・し・の・彼氏』、遠野志貴
 でも彼はニブチンで朴念仁でそのくせ困った人を見逃せない性質だから無意識に女の人を寄せ付けるの。
 おかげでシエルとアキハがちょっと調子に乗ってるし。
 隙を見せたらどんな事になるかわかったもんじゃありゃしない。
 まあそれが志貴のいいとこでもあるんだけど・・・
 惚れた弱みよね〜〜〜。
 でも志貴には内緒にしている事があるの・・・。
 これはけして志貴には言えない事、そう警察官である志貴には・・・。
 なぜなら私たちは――――――



















【怪盗猫目♪】




















 からんからん♪


「いらっしゃいませ〜、ってどうしたの志貴お疲れね」
 コトッ
 志貴は何時ものカウンターに座り私は水とお手拭を出す。
「あぁ、サンキューアルク・・・」
「はあ、貴方がそんなんじゃこっちも調子でないわよ。まあ原因は分かってるけどね」
「ふぅ・・・」
 そう言ってうなだれる志貴、それを苦笑いで迎える私。
 そう、志貴を困らせているのは最近多発している美術品専門の怪盗猫目。志貴はその担当捜査官だ・・・。
 そして実はその猫目の正体は私たち3人。消えたお父様の遺作を回収してその真実に迫るために日夜情報収集をして時が来ればそれを回収、つまり強奪する。
 私が志貴についてる唯一のそして最大の嘘・・・。


 からんからん♪


「ただいま〜」
「お帰りなさい、アキ「志貴さんだーー!」」


 チチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチ


 貧乳が志貴にたどり着く。いや、そのない胸を志貴の背中に押し付けるまで3歩
 私は素早くカウンターの内側からフォークを掴む(ここまで0.1秒)


 チチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチ


「ああ、アキ―」
 シュンッ!
 私は志貴が振り向くと同時に駆け寄って来る秋葉の顔面に向けてそれを投擲した!


パシッ!


「あら、アルク姉さん。随分なご挨拶ですね♪」
「あら、ごめんなさい。変な虫が見えたんでねちょっと手が滑っちゃったわ♪」



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


 志貴を挟んで二人で対峙する奴から志貴までは後二歩。
 貧乳は武器を持っていない、それに対し私は多数の武器がある。
 でもこっちもカウンターがあるので幾分こちらの方が不利なのは認めざるをえない。
「あっあのー2人ともどうしたんだい?」
 あ゛ーー!このニブチンったら!
 志貴に群がる虫を退治してやろうと言う乙女心がどうして分かんないのかしら!
「ふん!アキハそんな所で油売ってないでさっさっと着替えて手伝いなさいよ」
 私はこっそりと弾丸(フォーク)の補充をしながらそう告げた。これは最後忠告だ。
「・・・はいはい。分かりました」
 アキハは不利と悟ったのか、志貴の前では猫を被りたいのか(とっくにばれてるが)取り合えずこの場から撤退した。
 アキハの握っていたフォークは飴細工のようにぐにゃりと曲がっていた。
 小遣いから減らしとこう。


「あらー、志貴君いらっしゃい」


 呼んでもないのに奥からカレーが出てきやがった。
 騒ぎを感づいたのだろう。
 私は何も言わずコーヒーメーカーの熱湯をぶちまける。


パンッ!


 しかしカレーは胸のポケットからナプキンを取り出しそれを投げながら一歩下がる!
 と言うかこのナプキン熱湯に触れた瞬間綺麗に広がった。
 おそらく形状記憶合金を編みこんであるのだろう。
 この手(熱湯攻撃)は使いすぎたか?新たな手を考えなければ。
「もう、アルクったら相変わらずそそっかしいわね♪」
「ごめんなさい、シエル姉さんちょっと手が滑っちゃったわ♪」
 そんなこんなでこれが私たちの表の日常である。
 私は志貴に纏わりつこうとする二匹の害虫を牽制しながら接客をする。
 いっそのこと個室でも作ろうかしら。
 でもそれじゃあ喫茶店どころじゃなくなるわね(ぽっ♪)





 それから数日後の夜カレーの招集がかかった
「今度開かれるM美術館の展覧会で父さんの作品が展示されるわ」
 カタカタカタとパソコンをいじりながら説明するカレー
「・・・絵画ね」
 ディスプレーに表示されたものは『聖杯』と書かれた一枚の絵画
 銀色の少女が儀式めいた服を着てキリストのように両手を広げてある絵画だった。
 絵画を盗む時にはそのまま持っていくことは出来ない。
 枠を外し丸めて持っていくのが一番だ。
 でもその時間を稼ぐのは難しい。
「それで、姉さん。作戦はどうするの」
「取り合えずこれを見て頂戴」
 カタカタカタとキーボードをいじるとF美術館の警備状況が現われた。
「ふぅ。赤外線、振動探知、音波探知etc・etc、金にモノを言わせてるわねー」
「ええ、それに当日は警察の警護も入るから大変ね」
 人事のように言うカレー。
 そもそも予告状なんて馬鹿なことをしなけりゃ少なくとも警察の警護はなかったんだけど、このカレーが『予告状は泥棒のロマン!』とか言い出すからそう言うことになってしまった。
 そりゃまあ私も始めは悔しがる無能な警察を見るのは楽しかったけど
 志貴が猫目対策班に加わってからは話は変わった。
 と言うかぶっちゃけ父さん(+カレー&貧乳)と志貴を天秤に掛けると志貴のほうが限りなく重くなっている私にとっては迷惑極まりない。いっそのことこの家業から足を洗って『志貴と二人で誰も知らない土地で喫茶店を開きたい』と言う夢が大きく膨らんできた。
 でもそのためにはこの2人が邪魔だ、そんな事をすれば間違いなくある事ないこと言いふらして全て私の責任にするだろう。
 いっそこの2人を亡き者にして・・・
「アールーク、なにぶつぶつ言ってるの。
 まあこっち関係は何時ものように私が黙らせるわ。
 そして先ずは前日にアキハが斥候として内部の確認ね
 それで問題が無かったら何時も通りの作業っと」

 まあミーティングの内容は何時も通りである。
 カレーは何故かコンピューターに詳しくカレーの部屋の大半が巨大なPCに占められている
 スペックはスーパーPC3台分に相当するらしい。
 当日は端末を持っていってスイッチ一つで全ての防犯装置を黙らせる事が出切る。
 貧乳もそのシャープな体を生かしてどんな狭い所でも入っていける。
 どんな道具でも使い道があるということだ。
 まあ2人ともその能力は男には縁が無いだろうが。
 私たちの能力を分析するとカレーが知能タイプ、貧乳がスピードタイプ
 そして私がパワーよりのバランスタイプと言ったところだ。






   ターゲットは決まった
 サイトは合わせた
 後はトリガーを引くだけ

『今夜聖杯を貰い受けます by 猫目』





 超振動装置によって下水道から壁を何枚かブチ破って美術館の地下に出る。
「あー臭かった」
「静かにしなさい。
 どうやらここは警備の対象外みたいね」
 携帯PCから館内の監視カメラの映像をちょろまかしてるカレーがそう言う。
「アキハ貴方は予定通りそこのダクトから行って」
「む〜〜〜〜」
 ない胸を両手で隠しながら静々とダクトに向かう。
 アキハは何時までたってもこの衣装(レオタード)に慣れないようだ。
 『女の仕事着はレオタード!』と言うカレーのわけの分からない持論によって決まったわけだが、これはアキハにとっては羞恥プレイそのものだろう。
 まあ同情はこれっぽっちもしないけど。だって貧乳の悩みなんて私には分からないから♪


 私を先頭にしてカレーが後に続く、カレーはPCを見ながら行く先を示す。
 さてそろそろ時間だ。


『!!!!!!!』


 周囲が慌しくなった屋上のデコイに気がついたんだろう。
 空には黒い気球からパラシュートで3体の人形が降りてくる時間だ。
「(行くわよ)」
「(OK)」


 ダッ!


 私は角から飛び出しそのまま矢のように走り、
 突然の出来事に目を見開いてる警備員の鳩尾に足刀を決める。
 カレーはそれを見て驚いている逆サイドの警備の後ろに周り首を絞める。
 一秒にも満たない出来事、何時もの通り♪
 私たちは殺しはしないけど邪魔する奴は排除はするの♪


 それからもスタンガン、吹き矢等を使って邪魔者を眠らせていく♪
 もちろんジャミング済みだから命令系統もグチャグチャのはずだ♪


『!!!!!!!』


 おや、屋上のがデコイだと気がついたみたいだ。
 それにそろそろ隠密行動も出来ないほどの警備体制になってきた。

『(アキハ、調子はどう)』
『(もうすぐよ、あと10m♪)』
 さて、それじゃそろそろやりますか。
「(姉さん)」
「(よし、行きましょ)」
 ダッ!
 私たちは警備体制が最も厳しい場所、すなわち獲物が展示してある部屋の前に躍り出る。
「猫目だーーー!!猫目が現われたーーー!!至急応援求むーーーーー!!!」
 部屋の奥から左右から雲霞の如く警察が現われてくる。


『敵が多数の時は敵を武器にする by ハルク・ホーガン』


 私は向かってくる敵にラリアットをしそのまま回転して宙に浮いてる敵を敵に向かって蹴り飛ばす!
 カレーは生意気に合気道を使うから同じく敵を敵に向かってブン投げる!
「応援ーーー!!!応援ーーーー!!!!」
 あれからおよそ一分、おそらく館内中の警察が集まってきたはず。
 私たちは十重二十重と敵に囲まれた。
 ・・・この中に志貴も居るんだよね。
「奴らは猛獣だ!素手では無理だ!ネット用意!」
 なんか散々な言われようだ、今言った奴いつか殺す。
「(姉さん!)」
「(OK!)」


―――――――――――――――プツン―――――――――――――――


 暗転
 ライトが消える
「!!!!!!!」
「かまわん!発射だ!発射しろーーー!」
 発・射♪


 ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!


「流石に暗転した直後のスタングレネード一ダースは効いた様ね♪」
「そーだね♪」
 死屍累々♪
 まあ実際死んではいないけど皆うずくまったり、ふらふらしたり、気絶したりしている。
「おっつかれー♪」
 展示室から秋葉が出てきた、獲物はちゃんとゲットしたみたいだ。
「よし、じゃあ応援が来る前にさっさと引き上げるわよ!」
「「はい!」」
 今回も我ながらスマートな仕事っぷり―
 ふにゃ♪
「きゃ!」
「ねっ猫目、逃がさんぞ」
 志貴だ!志貴が私の胸を掴んでる!
 目なんか見えてないのにこれってやっぱりラブ♪
 ドゲシッ!
「あっ」
「『あっ』じゃないわよ!さっさと逃げるのよ!!」
 カレーが志貴を蹴り飛ばしやがった。
 やっぱり消そう・・・。


 翌日
 からんからん♪
「いらっしゃいませ〜、ってどうしたの志貴お疲れね」
 コトッ
 志貴は何時ものカウンターに座り私は水とお手拭を出す。
「ああ、昨日は散々だったよ・・・。」
 志貴はホッペに湿布を張ってある、カレーの性だ。
「大丈夫、志貴頑張ってるもん。きっとその内いいことあるよ」
「ふぅ・・・そうだったらいいけどね」
 む〜〜〜〜
「志貴!顔上げて!」
「えっ?なんだいアルク」
 ちゅっ♪
「ほら、いいことあった♪」
「なっなっなにするんだ!アルク!」
 顔を真っ赤にして言う志貴、可愛〜い♪
 って私もちょっと頬が熱いわね(赤)
「志貴は私のこと嫌いなの」
「ちがっ、そう言うことじゃなくて!」
「えへへ、よかった♪私、志貴のこと大好きだよ♪」
「アルク、、、俺もお前の―」
ガシャーン!「ただいまッッ!!!」 
ダダダダッ!「志貴さんいらしてたのねッッ!!!」
 やっぱこの2人消そう・・・。










後書く
 闇を切り裂くパッションアーイー♪
 ウインクしてるエヴリナーイ♪ (超うろ覚え)
 アレはそう、私が浅上女学院怪奇譚を連載していた時でした。
 当時の私は『本編の内容を削ってでもいかに嘘予告を充実させるか』がマイブームでした。
 そんなある日、Uヒツさんから体育館裏に呼び出されて。
「キサンなんが嘘予告とや?吐いたつば飲まんどけよごらぁ!」
 と2時間35分にわたりご指導を受けていました。
 かすれゆく意識の中で「ねっ猫目ネタなら・・・」と言うと。
「けっ!この雑種が!まあワシは優しいけんそれでゆるしたらぁ」
 と言って足の関節を一つ増やしてくださいました。
 そんな思い出いっぱいのSSです。
 後、書いてく途中でM美術館じゃなくて『言峰美術館』を舞台にして
 用心棒に『青タイツの槍持った人』が出てくると言う案も浮かびましたが
 とてもじゃないけど一話でまとめきれないので止めました。
 止めて良かったです♪





 ひろぽんさんより頂きましたSS「怪盗猫目」。
 もう、読んだ瞬間にやにやとw 世代的にはこの後の「街市狩人」の方により深く思い入れがありますが、これはこれで蝶・最高ですw
 やっぱり怪盗ものは(・∀・)イイ!! 男のロマンですなw
 ひろぽんさん、そして炊きつけたユウヒツさん。どうもありがとうございました〜