あざーサイド:マイしすたー
  〜ねーちゃんのイケないヒミツ〜 お試し版




 最近のねーちゃんは、どうにも変だ。
 いや、今更と言ってしまえばそれまでなんだけど。
 うちの高校で赤音鈴歌(あかね すずか)といえば、恥ずかしながら知らない人間いないくらいの有名人だし。黙って立ってりゃ弟の僕から見たって結構な美人だと思うけど、男勝りな立ち居振る舞いが全部台無しにしてる。まあ男前と友達に言われて喜んでるくらいだから色々確信犯なのかもしれないけど、そのくせ家ではお菓子作りに精を出したりしてるのがよくわからない。しかも最近は本まで読み始めてる。漫画ばかりだったねーちゃんが、文章一杯書かれた本なんて!
 一体何の本を読んでるのかと尋ねたら、返ってきたのは拳骨だった。
 弟のいたいけな好奇心を暴力で封じるあたりがねーちゃんのねーちゃんたる所以なんだろうけど、
 それと言うのもこれと言うのも、うちにねーちゃんの友達が遊びに来るようになってからではないだろうか。
 名前は若宮更紗(わかみや さらさ)さんと言うらしい。
 彼女を初めて見た時は、自分の目が信じられなかった。この世の中に、あんなに綺麗な人がいるなんて思えなかった。腰まで伸ばされた綺麗な黒髪も、すらりと伸びた背や手足も、何もかもが綺麗だった。友達が可愛い可愛いって騒いでるアイドル歌手なんか、彼女の脇に並べたら、エキストラにもなれないんじゃないだろうか。ねーちゃんとの比較に関しては、命が惜しいので黙秘権を行使したい。
 ともあれ、何でこんな女の人があんなガサツなねーちゃんと友達なのか。
 いつ頃だったか、それを彼女に聞いてみた事があるけれど、「それは秘密よ」と、眼鏡の奥の目を細めて、かわされてしまった。
 まあ、知り合ったきっかけなんかどうでもいい。
 更紗さんはいい人だ。
 ねーちゃんも更紗さんと話したりしてる時は楽しそうだから、いい友達が出来たのは弟としても嬉しい。ついでにあの立ち居振る舞いも見習ってくれればもっといいと思う。
 だけど、やっぱりどこかがおかしい。
 更紗さんとねーちゃんが、お互いを見る目が変な気がする。
 まぁどこがと言われるとよく分からない。分からないんだけど、なんて言うか、親しい友達同士の雰囲気とはまた違うような気がするのだ。
 今日も朝っぱらから長風呂だったし、着る服を延々一時間くらいも悩んでいたし。
 んで、ようやく部屋から出てきたねーちゃんの格好を見た時、正直吹いた。
 これでもかとレースとフリルの付いたワンピースに大きな赤いリボン。
「……ねーちゃん、これから仮装パーティーにでも行くのかよ?」
 答えは、腰の入った右ストレート。
 どうかと聞かれた弟の、素直な感想に対する返答がそれかよねーちゃん。
 言論の自由を暴力で封じるあたりが本当にねーちゃんのねーちゃんたる所以なんだろうけど……ともあれ、ねーちゃんをそこまで素っ頓狂な行動に駆り立てる理由が、残念ながら僕にはよく分からない。分からないから、今もこうしてもやもやと、今のソファに転がっているわけだ。
 ため息をついて時計を見ると、そろそろ昼の十二時。更紗さんが来てからもう二時間くらい。二人は部屋から出てくる気配は一切なし。
 親父と母さんは、朝から法事で出かけてる。
 家には僕とねーちゃんと更紗さんだけ。
 ……昼飯、僕が作らないとまずいのかなぁ。正直ねーちゃんの方が料理上手いから、めったな物は食べさせられないんだけど。
 それくらいなら僕だけ外に出て、何か食って来ちゃおうか。
 一瞬名案に思って財布の中身を確認して、涙を呑んで諦めた。
 そういや小遣い日前だったっけ。てか昼飯代くらい、置いていってくれよかーちゃん。
 そろそろお腹の虫が鳴き始めた。真剣に方策を決めないとまずい。何せ僕は育ち盛り。ねーちゃんよりまだ頭半分低い身としては、いかなる手段を用いても栄養は補給しないといけないのである。
 ……たとえ頭二つ追い越しても永遠に勝てないんじゃないかとか一瞬思ったけど、それは気のせいだと思うことにしておく。いつかは完全勝利を収めてみせる! と夢を見るくらいは自由な筈である。
 炊飯器の中を見ると、米だけはアホみたいに炊いてある。僕一人で適当に何かを食う分には問題なさそうだった。
 ああ、そうか。なら、ねーちゃんと更紗さんに外で食べてきてもらえばいいわけだ。
 金のない僕は一人で目玉焼きでも作っておけばいい。ふと頭に浮かんだそれは、なんだかとってもいいプランに思えた。
 それだ、そうしようそれがいい。
 思いついたら即実行。僕は階段を上って、ねーちゃんの部屋の前へ。
 部屋の扉をノックしかけて、それがうっすら開いているのに気が付いた。
 そして。
「あぁ、ああああっ、はぅっ!?」
 そんな、明らかに異常な声がそこから漏れてきていた。
 な、何だ何だ、何なんだ一体?!
「ひぁ、駄目! そこ、なめちゃ……感じる、感じちゃう……ああああっ!」
 今にも泣きそうな声で、誰かが叫んでる。
 それが一体何の声なのか理解して、ノックしかけた僕の手は完全に固まってしまった。
 友達に借りてるエロいビデオで、女優さんが同じ声を出していた。
 ねーちゃん、僕の部屋から勝手に持ち出して、ネタで見てやがるのか。
 一瞬そう思ったけど、そう思いたかったけど。
 だけど、ねーちゃんの部屋にテレビはあるけどビデオはないのだ。
 だから答えは一つだけ。
 全く想像してなかった事だから、頭で理解できなかっただけなのだ。
「いや、だめ、聞える、絃斗(あやと)に聞こえちゃうぅぅぅ……」
「ならば我慢すればよいでしょ、鈴歌……ああ、でも無理かしらね。いやらしい鈴歌のここは、こんなに濡れてしまってる……」
 悲鳴を上げているのはねーちゃんで。
 悲鳴を上げさせているのは更紗さん。
 聞いたこともないような弱々しい声で、ねーちゃんが泣いてる。だけどそれは痛いとか嫌だとかそういうんじゃなくて、多分嬉しいからだ。
 だって、うっすら開いた扉の隙間から見えるんだ。
 裸のねーちゃんが、ベッドの上で仰向けになって涎と涙を流して悦んでるのが。
 僕の知ってるねーちゃんだった筈の人が、更紗さんに鈴歌と囁かれると目を潤ませて歓んで、その度知らない人に変わってる。
 ああ、汗で髪の毛がおでこにぺったり張り付いてる。
 耳の先まで真っ赤にして、自分の指を咥えて必死で声を押し殺そうとしてるけど、それが出来なくて声が部屋中に響いて漏れている。
 がさつで、サバサバしてて、部員やクラスメートに「男前」だなんて言われて喜んでる。そんな人間だった筈なのに、今のねーちゃんは僕が聞いた事もないような声を上げて身悶えしてる。
「あぅ、あん! ダメ、そこ、ダメだよ更紗……」
「何がダメなの……ん、ちゅ……ん……ほら、こんなに後から後からあふれ出してしまっているわ。しっかり塞がなければ、ん、シーツに染みが出来てしまうわよ?」
「や、だ、め……そこ、深いぃ! そんなところ、までぇ……!」
 両手で顔を覆って、もう声は消え入りそうになってる。
 そんなに恥ずかしい事をされてるのかよ、ねーちゃん。
 何をされてるのか、ここからじゃ扉の陰になってしまっていてよく見えやしない。
 見えやしない筈なのに。
 あのビデオのシーンが、勝手に頭に思い浮かんでしまう。
 だけど老け顔でただおっぱいが大きいだけの大して美人でもなかった女優の顔が、ねーちゃんに代わってる。ごつくて醜い体をさらして、その女優の体に顔を埋めてた男優が、更紗さんに代わってしまってる。
 その想像があまりに鮮明で、分厚い部屋の扉が透けて、見えない部分まで鮮明に目の前に映ってしまってる気がした。
「ねえ……ちゃん……」
 喉が焼け付いたようにひりひりしてる。水も飲まずに何十キロもぶっ通しで走り続けたみたいだった。呟いた声も掠れていてるし、頭がぼうっとして自分がどこにいるのかもよく分からない。
 何やってるんだよねーちゃん。
 女同士だろ、そんなのダメじゃないのか。
 親父や母さんにばれたらどうするんだよ。
 いくらでも言わなきゃいけない言葉はある筈なのに、何一つ口から先に出てきやしない。
 ねーちゃんに何をやってるんだよ。
 良い人だと思ってたのに、そんな変態だったのかよ。
 友人の顔をして遊びに来たくせに、僕の部屋の隣でこんな事してる更紗さんを、止めなきゃいけない筈なのに。だけど僕の体は指一本動きやしない。
 薄く開いた扉の隙間から、目を逸らす事が出来ない。見てはいけない筈なのに、見続けずにはいられない。
「顔を見せてちょうだい、鈴歌」
 そんな声と共に、ドアの影で見えなかった更紗さんの姿が、僕の視界に現れた。
 ねーちゃんと同じく、珠のように輝く素肌をさらした彼女が、ベッドの上に横たわったままのねーちゃんにゆっくりとのしかかっていくのが見える。
 目の前でねーちゃんの体が、黒のレースに覆われていく。更紗さんの髪の毛はあまりにも艶やかだから、そんな風に見えてしまう。
 髪の隙間から覗く彼女の目が、熱く蕩けている。それがまるで、ねーちゃんをどう食べようかと、品定めしてるようにも見える。とぐろを巻いた大蛇が、哀れな白ネズミを目の前にして舌なめずりしているような、そんな訳のわからないイメージが重なっていく。
「や、ダメだよ、さらさ……みないでぇ……」
「いやいやばっかり。わがままね、鈴歌。一体どうして欲しいの?」
「キス……キスして、更紗ぅ。そんな所ばかり舐められたりして、恥ずかしい……ひゃぅ」
 懇願するねーちゃんのおっぱいを、更紗さんの指が揉みしだいてる。ここから見てても分かるくらい、更紗さんの手つきは手馴れてて、どこをどうすればねーちゃんが気持ちよくなるのか知り尽くしてるみたいだった。
「本当にキスが好きね、鈴歌は」
 そう笑うと長い舌を伸ばして、更紗さんがねーちゃんの唇を舐め上げる。
「学校とここだと、まるで別人。こんなにいやらしくて、欲しがり屋さんだったなんて、ね」
 ささやきながら更紗さんは何度も何度も、まるで口紅を塗るみたいにねーちゃんに唾液をまぶしていく。だけど決して唇の中へは入れないで、焦らして焦らして楽しんでいる。
 耐え切れなくなったんだろう。ついにねーちゃんが腕を伸ばして、更紗さんの頭を引き寄せた。
「やぁ、ら、更紗……ん、ちゅ……んん……」
 ぴちゃぴちゃと大きな音を立てて、ねーちゃんが更紗さんに唇を押し付ける。
 僕だってキス位したことは有る。あるけど相手はねーちゃんで思いっきり悪ふざけだったから、多分ノーカウントだと思う。思いたい。でもその時のキスと今目の前でねーちゃんがしてるのは全然別だ。
 更紗さんの手が動いた。うずもれるくらい大きなねーちゃんのおっぱいから、お腹の上を円を書くように這い回る。その度にねーちゃんの体が震えて、でもお互いの唇は離れない。
 お臍のさらにその下へ、更紗さんの指が滑り落ちていく。そこに何があるのか、決まってる。
 更紗さんの頭にしがみついていたねーちゃんの手が、くたりとベッドの上に投げ出された。更紗さんがゆっくりと顔を上げると、繋がっていた唾液が糸を引いて繋がり、そして滴り落ちた。
「脚を開いて、鈴歌」
「ひぁ、だめぇ……」
「ダメじゃないでしょ? そういう時はなんて言うんだっけ?」
「やぁ、恥ずかしい、から……」
「じゃあしてあげないわよ? それでいいのね?」
 更紗さんの口元がゆるく弧を描く。本当に恥ずかしいのか、ねーちゃんは手で顔を覆っていやいやと頭を振った。でもそれが見せ掛けだけだってのはすぐに分かった。
 ねーちゃんの脚が、膝を立ててゆっくりと開かれていく。更紗さんの前に、何もかもさらけ出していく。
「お願い……更紗、いじって。あたしの全部、めちゃめちゃに……」
「どこからして欲しいの? こんなにぷっくり勃ちあがってるクリトリスから?」
 清楚で落ち着いた、そんなイメージだった更紗さんが聞くだけで恥ずかしくなるような事を言う。実際に僕がされてるわけじゃないのに、顔中が熱くて火が出そうだった。
 ギリギリと股間を締め付けられる痛みに、思わず前かがみになってしまう。どうなってるのかなんて、触るまでもなく分かった。ズボンの中で僕のモノはもうカチンコチンに硬くなってる。だって仕方ないじゃないか。ねーちゃんだけじゃなくて、更紗さんまでそんな事をしてるんだから。
「ひゃう、ん! だ、めぇぇ……! 更紗、そこ、剥いちゃ……くうっ!」
「あらあら、こんなに真っ赤になっちゃって」
 更紗さんが笑う度に、ねーちゃんの体がベッドの上で踊る。ここからじゃ良く見えないけど、何をしてるのかはよく分かる。更紗さんの指が、ねーちゃんのアソコを弄り回している。ビデオのアレは演技で、実際はそんな感じてくれねぇんだぞって友達が言ってたけどどうなんだろうか。
 だってねーちゃん、本当に気持ち良さそうな顔をしてる。立ててた膝も崩れ落ちて、両手も力が抜けきってベッドの上に投げ出されている。遮ってた壁が消えて、更紗さんの手がねーちゃんの股間で艶かしく動いてるのが良く見える。
 その手が不意に動きを止めて、またゆっくりとねーちゃんのお腹の上を駆け上がっていく。
「ねえ、鈴歌」
「ひぅ……」
 指先がつんと張りあがったおっぱいを駆け上って、そのてっぺんで踊ってる。
「どうしましょう、こんなに汚れちゃったわ。鈴歌ってばまるでお漏らししたみたいに大洪水よ?」
「やぁぁぁ、更紗ぁ、そんな事、言わないでよぉ……」
「それなら、まずは綺麗にしてちょうだい?」
 更紗さんの指が、ねーちゃんの口元に伸びる。その先が、てらてらと濡れて光ってる。
「そうしたら私も鈴歌のココ、綺麗にしてあげる。隅から隅まで、残さず、ね」
 濡れた舌を伸ばして更紗さんが自分の唇を舐め上げる。それを見たねーちゃんはよろよろと起き上がると、更紗さんにしなだれかかるようにしてその指に吸い付く。
 ちゅぱちゅぱと、みっともない音が部屋中に響き渡ってる。ねーちゃんてば、涙を流しながら更紗さんの指を舐め上げてる。痛いからとか苦しいからとかじゃない。嬉しいから泣いてるんだ。更紗さんにそうする事が、ねーちゃんはとても嬉しいんだ。
 ねーちゃんがドアに向かってお尻を向けてるから、膝裏の辺から太ももの辺りが濡れて光ってるのが良く見える。そして太ももの付け根、見ちゃいけない筈のねーちゃんのアソコまで。他の部分とは明らかに違う、薄く開きかけた割れ目が、ねーちゃんの息に合わせて震えてるように見える。
 だめだ、戻ろう僕。
 早く下に戻らないとまずいよ。
 いくら姉弟だからって、いや、だからこそ、見ちゃいけない。今見てることは全部忘れて、忘れて、外にでも遊びに行かないと。
 そう頭では分かってる筈なのに。なのに! 僕の足は根っこが生えたように一歩も動かない。完全に力が抜けて、いつの間にかしりもちをついて座り込んでしまっていた。それどころか、震える手でいつの間にかズボンのボタンを外して、ファスナーを下ろしてる。
 って! だめだ、ダメだって!
 何をしてるんだ、僕はっ!
 頭の半分でそう叫んでるのに、体はまったく言う事を聞いてくれない。さらけ出された僕のモノは、今まで経験がないくらいに大きく固くなってた。
「美味しい?」
「うん、美味しい……更紗の指、美味しいよぅ……」
「あらあら、綺麗にしてって言ったのに、もっと汚れてしまいそうね」
 いつの間にか更紗さんがベッドに仰向けになって、ねーちゃんがその上に覆いかぶさってる。お尻を振りながら、両手で更紗さんの右手を握り締めて、人差し指と中指の付け根まで飲み込んだり、舌を絡めたり。
 もう止められなかった。いつも自分の部屋でしてるみたいに、僕はモノを握り締めてこすり始めてしまう。
 フェラチオって言ったっけ。ビデオで見た女優が男優にしていた行為が、目の前の光景に重なる。ねーちゃんが舐め回してるのが更紗さんの指じゃなくて、僕のモノになってる。
 荒い息が止まらない。こんな事絶対まずいのに、右手も止まってくれない。
「はぁ……はぁ……あっ……」
 尻を突いて座り込んだ僕の股間にねーちゃんが顔を埋めてる。時折潤んだ目で上目遣いで見上げてきながら、熱心にしゃぶってる。そんな弟として最低の想像を思い浮かべながら、僕はひたすらに自分の物をこすり上げている。
 その時だった。
「ねえ、鈴歌。気持ち良い?」
「ふぁ、うん? さら、さ?」
「ダメじゃない。自分ひとりで。弟さん、とても切なそうな顔をしてるわよ?」
 更紗さんが顔をこちらに向けて、微笑んだ。
「……っ!?」
 思わず顔を上げた僕と、彼女の視線が絡み合う。とろんとした更紗さんの目の奥の光は、しかし逃れる事のできない鋭さで僕を射抜いていた。
「え、うそ、え、あやと!? なに、なんなのっ!?」
 我に返ったのか、ねーちゃんが裏返った声で跳ね起きる。
 逃げなくちゃ。
 その前に、謝らなくちゃ。
 頭の片隅でそんな矛盾した事を思うけど、立ち上がる事ができなかった。声にならないうめき声をもらしたまま、立ち上がった更紗さんがこっちに向かって歩いてくるのを見つめている事しかできなかった。
「可愛い顔して覗きだなんて。いけない子ね。絃斗君てば」
「あ……あ、あ……更紗、さん……」
 ゆっくりと、ドアが開け放たれていく。縁にもたれ掛かった更紗さんが、一糸まとわぬ姿で僕を見下ろしている。しみひとつない抜けるような白い肌を、寝乱れた長い長い綺麗な黒髪が覆ってる。ねーちゃんよりは小さいけど、でも綺麗な形をしたおっぱいがほんのり赤く染まってるし、何より、一番大事な所が本当に目の前だった。淡く茂った更紗さんの下の毛は、ぐっしょりと塗れて肌に張り付いてる。その隙間から、ねーちゃんと同じアノ部分が覗いてる。そこもやっぱり濡れていた。
 ねーちゃんと、していたから。
 ねーちゃんを気持ちよくして、そして更紗さんも気持ちよくなっていたんだ。
 それを正に目の当たりにして、それで僕の堤防が崩れた。
「あ、あぁっ!」
 みっともなくも全力で勃ち上がってた僕のモノから、ものすごい勢いで精液が飛び出した。
 こんな量も勢いも、今まで経験したことがなかった。大きな弧を描いた精液が、そのまま更紗さんの足へと降り注いでしまう。
「あらあら……絃斗君てば」
「ああっ! そ、その、ごめんなさい! ごめんなさい、更紗さん!
 吐き出し残りが滴り落ちて、僕の右手を汚していく。でもそんな事を気にする余裕なんかあるわけない。
 覗きがバレタ。
 オナニー見られた。
 精液足にかけちゃった。
 どれひとつとっても致命的に最悪なのに、その三乗って一体どうすればいいのさ僕っ!?
「ごめんなさい……! 本当に、本当に……その、こんな事するつもりじゃ……!」
 ズボンをあげるのも忘れて、ほとんど土下座するような格好で僕はひたすら更紗さんに向かって謝った。
「あ、絃斗っ! あんたいったい何してたのよっ!」
 いつもだったら身をすくめるようなねーちゃんの怒鳴り声も今は遠い。いやもちろんねーちゃんにだって謝らなきゃいけない筈なんだけどそれよりも何よりも今は更紗さんに謝らないと……
「ねえ、絃斗君。見て」
 落ち着いた更紗さんの声色に、弾かれるようにして僕は顔を上げた。
 微笑を浮かべた更紗さんは、踝のあたりにべっとりとついた僕の精液をゆっくりと右指で掬い上げる。
「まるで糊みたいね。こんなに濃くて、ねばねばして……」
「あ、ああ……っ!?」
 そしてそのまま、更紗さんは赤い舌を伸ばしてその汚い白い塊を舐めとってしまった。
「ん、すごい匂い。それに喉に絡まっちゃいそう」
「その、更紗さん……何を……」
 目の前で起きている事がよくわからなかった。怒られるどころか、蹴り飛ばされると思っていたのに。更紗さんは目を細めて名残惜しそうに自分の指を舐め回している。
 そのままゆっくりと口から指を抜き取った更紗さんは、ねーちゃんに向かって振り返って、
「ねえ、鈴歌。あなたも味わってみたいんでしょ?」
「さ、更紗っ!? あなた一体何を言い出すのよっ! ていうか裸よ! あ、絃斗の前でそんな格好で立ってちゃ……」
「あら、もう全部見られちゃったみたいだし。いまさら隠すよりは逆に、ね」
 更紗さんの体が壁になって、ねーちゃんの顔が見えない。でも、たぶん今の僕と同じ顔をしてる気がする。
 何を言ったらいいのかわからないまま、ただ呆然とその姿を見上げていた僕に向かって、更紗さんがまた向き直った。
「絃斗君も、見たいよね?」
「え……?」
「あんな扉の影からじゃなくて、もっと近くでゆっくり見たいでしょ? 私や、お姉ちゃんのかわいい所」
「それ、は……」
 しゃがみこんだ更紗さんの顔が、息の掛かるほど近くに迫ってくる。眼鏡の奥の彼女の目は、じっと僕を捉えたまま、放してくれない。
「さ、来て……」
 耳元で囁かれたその言葉に、僕はゆっくりと頷く他なかった。







 お試し版でお楽しみいただけるのはココまでとなります。
 続きは12/30のコミックマーケット会場で……読みたくなって下さる仕上がりになっていると良いのですが。
 何卒よろしくお願いいたします