■ 我が家のおデビルさま ふぉーえばー サンプル ■










 今まで一人で使っていた部屋に人が増えれば、自由に出来る場所も時間も少なくなるのは当然の話である。
 六畳1Kのアパートに独立した脱衣場など存在しているわけもなく、風呂場の手前に用意した籠に服を脱ぎ捨てながら、タツヤはため息をつく。
「望んだ事、ではあるんだよなぁ……」
 分岐点はいくらでも存在していたのだ。
 暁美ほむらの正体が悪魔だと気付いてから、彼女と距離を取る機会は無数に存在していた。そもそも彼女が執心していたのは姉である。振り返って考えれば、自分がほむらに執着したからこそ、今の結果に繋がっているわけだ。
 半年前まで付き合っていた元カノ及びその取り巻きの人間関係からの評価は地に落ちて、今も悪評は絶賛拡散中である。彼女の本性を見る代償だったのかもしれないが、大学の講義中に知らない人間から冷たい視線を向けられるのは居心地が悪いにも程があった。
 付き合いを止めずにいてくれる心の広い友人たちからも、「年上美人と同棲とか! 死ねよマジ死ねよ!」と逆向きの殺意の篭った温かい言葉が降り注いでいる。
 今の生活から、それに見合う対価を得られているのだろうか。
「ダメな異性に引っかかってズルズルいく駄目人間って、要は今の俺みたいな状況なんじゃねぇの……?」
 力なく呟いたタツヤは、風呂場のドアを開け、次の瞬間思わず吹き出した。
「全く、失礼な物言いだこと」
 ほむらが真向かいに立っていた。全裸で。
「……何してんすか」
「待たされるのは嫌いなのよ」
「一人になってゆっくり考えたいって、全身全霊で訴えたんですが」
「意味があると思う?」
「意味はなくても、意図は分かって欲しかったんですが……」
 安息の時間がまた吹っ飛んでしまった。文字通りの悪魔と暮らしている時点で、そんな物を望むのが間違いなのかもしれなかったが。
「いいのよ? タツヤくんが望むなら」
 口元を優美に吊り上げて、ほむらが一歩タツヤに歩み寄る。露にされた慎ましやかなふくらみの乳房よりも、丸く柔らかく適度に肉の乗った腰から尻への稜線よりも、そして臍下の陰りよりも。彼女の浮かべた不敵な微笑に、タツヤの視線は釘付けにされてしまう。
「平穏な暮らしに巻き戻す事だって、私がその気になれば造作もない事よ。あの子と仲良く付き合っていた頃に戻りたければいくらでも」
「いやそれはあんまり……」
 何も知らなかった頃ならばともかく、本性を垣間見てしまった後の元カノと何もなかったかのように続ける自信は、タツヤにはなかった。
「あら。あの程度、可愛いものじゃない」
 ほむらの左腕が伸び、呆然と立ち尽くしたままのタツヤの首に絡められる。滑らかな女の肌が擦り寄り隙間なく押し付けられる。
「それともタツヤくんは、もっと性質の悪い女に虐げられ弄ばれるのがお好み?」
「……真面目に、元の生活返してくださいって言ったら?」
 ほむらより、タツヤの方が頭半分ほど身長が高い。上目遣いの彼女に向かい、タツヤは精一杯意地の悪い笑みを浮かべて見せたのだが。
「私の言葉を、ちゃんと聞いていたのかしら?」
「はうっ!?」
 股間に走る強い刺激に、タツヤは思わずうめき声を上げる。ほむらの右手がタツヤの陰茎を強く握り締めてきたのだ。痛みに変わる手前の、絶妙の力加減で握ったまま、ゆっくりと扱きあげてくる。
「私がその気になったら、と言ったでしょう? 残念ね。その気になる予定はまだ存在しないわ」
「いや、その! それよりも握るのやめっ!」
「汗を流していたのでしょう? 不潔な場所なんだから、ちゃんと綺麗にしておかないと」
「これどう見ても洗う手つきじゃないですし!?」
 ほむらの右手が親指と人差し指で輪を作り、根元から雁首に至るまでタツヤの肉竿を何度も扱き上げている。しなやかな肌触りから生み出される刺激にすぐに反応を示し、陰茎が固くそそり上がってしまう。
「タツヤくんも随分ひねくれて育ってしまったものだと悲しかったけれど、ここだけは素直で本当に嬉しい限りだわ」
「ソレされて反応しないの、死に掛けのジジイくらいだと……んむっ!?」
 悪態は途中で遮られてしまった。甘く濡れた柔肉がタツヤの唇を包み込む。熱く湿ったほむらの吐息が忍び込み、内側からタツヤの体に染み込み絡め取っていく。
 ああ。始まってしまった。
 急速に沈み込んでいくタツヤの理性が、ため息を付いた。
 シャワーを浴びている所に堂々と入ってきた時点で、覚悟はしていたけれど。淫ら極まるこの女悪魔様は、今宵も食事を御所望されている。
 歯の隙間から忍び込んできた彼女の舌に、タツヤも舌を絡めて応える。狭いバスルームに、互いの唾液を啜りながら深く口付け合う水音が響き渡る。その間も、彼女の右手は容赦なくタツヤの肉竿を弄ぶ。赤黒く充血したソレは、すでに臍にまで届かんばかりに屹立し、陰嚢も張り詰めている。
「ふふ……美味しそうに育ったじゃない」
 唇を離したほむらが満足そうに呟き、そのままゆっくりとタツヤの前にしゃがみこんでいく。
 納まり所を探して、タツヤの陰茎が震えている。ソレを満足そうに目を細めて見つめながら、ほむらは唇をすぼめ、張り詰めた亀頭に向かって熱い息を吹きかけてくる。
「うっ……!」
 むず痒さにうめいたタツヤを上目遣いで見上げて、ほむらは唇の端からちろりと舌を出す。
「ねえ? どうして欲しい?」
「どうして、って……」
「悪魔は、願い事を聞かせてもらえないと動けないのよ? あなたの口から言いなさい。どうしてほしいのか」
 弄ばれている。悔しいと思っても、鹿目タツヤはソレに逆らう術を持たない。彼でなくてもこの状況で悪魔に抗える男など、そう多くはいないに決まっている。
「口で……してください」
「何をして欲しいのかしら。具体的に言ってもらえないと分からないわよ?」
 嘘つけ! 思わず叫びたくなるほどにほむらの顔は悪意に満ち満ちて艶かしい。頬には赤く朱が差し、肉竿を握り締め先端を見つめる目は潤み蕩けていると言うのに、あくまでタツヤを屈服させて従わせようとしてくる。
「フェラチオ、してください。ほむらさんの口で、俺のチンポ慰めてください」
 そして、進んで屈してしまう自分がここにいる。
「素直でよろしい……ん……んむ……」
 満足げに目を細めて、艶やかに濡れた唇をゆっくりと開くと、ほむらは中ほどまで一息にタツヤのモノを飲み込んでいく。
 熱く濡れそぼった口裏の肉が、ぴったりと隙間なく吸い付いてくる。舌が裏筋を這い回りながら、ゆっくりと根元まで陰茎を飲み込んでいく。腰から下が蕩けて砕けてしまいそうになり、タツヤは耐え切れず浴室の壁に背中を預ける。
「ふぁ、ほ、ほむらさん、強すぎ……!」
 膣内に挿入した時よりもあるいは強く快感を与えてくるほむらの口戯に、タツヤは弱々しい悲鳴を漏らす。痛みをこらえる事が出来ても、快楽に抗える人間はそう多くない。情けなく放ってしまわないように、尻に力を込めて堪えるのが精一杯だった。
「んん……! ほいひいは、はふやふん。かたふて、おおひふて……」
「だから、咥えたまま喋らないで!」
 舌の触れる角度が変わり、別方向から押し寄せる波に思わず堰が切れそうになり、タツヤはしがみ付くようにほむらの頭に手を置いた。
 このまま強引に彼女の頭を押さえ込み、己の思う侭に腰を振ればイラマチオと言っただろうか。AVで良く見たプレイだったが、実践する余裕も度胸も今のタツヤには存在しない。何よりほむらがそんな隙を与えずに、タツヤの肉棒を弄び、堪能している。
「ふるえへるわ……だひたいの?」
「……出したいです。今すぐ」
「ら〜め」
「はぅ!?」
 付け根を右手で強く握り締められ、タツヤの声がひっくり返った。唇で雁首を挟み込み、舌先で鈴口を突付き回って射精を促してくる。しかしせり上がる射精感は根元でせき止められ、タツヤの頭には血が上り視界がぼやけてくる。
「わたひもひきそうなのよ……いっひょに、ね?」
 目線の動きで、タツヤの視線をほむらが誘導する。散々タツヤの肉竿を弄んでいる内、当然のように昂っていったのだろう。大股を開いてしゃがみこんでいる己の股間に左手を滑りこませて、ほむらは熱心に自らを慰めていた。
 中指と人差し指で陰唇を割り開き、秘肉の中へと潜り込ませて熱心に抜き差しを繰り返している。溢れだした愛液で既に陰毛は濡れそぼり、床に染みを作っている。タツヤに施している口戯と同じように、一身に己の痴情を慰めている。彼女の想像の中では既に、太くそそり勃った肉竿で秘肉が貫かれているのだろうか。
 ほむらの体が小刻みに震え、顔だけでなく全身が赤く火照っている。
 絶頂が近いのだ。堪えるのを止めて、タツヤは力を抜いて彼女に身を委ねた。
「ひぅ、ひっひゃう!」
 指を秘肉に沈み込ませ、唾液に塗れた唇で肉竿を咥えこんだまま激しく前後に動かしていた頭を止め、ほむらは目尻に涙を浮かべてわなないた。次の瞬間、彼女は肉竿の根元を握り締めていた右手の指を弛めた。
「ふぁ、で、出る……!」
 睾丸が張り詰めて、熱いモノが尿道を駆け上っていく。陰茎を飲み込んだままのほむらの口の中で亀頭が膨れ上がり、溜め込まれた精液が一息に放たれた。
「んん――!」
 目を見開いたほむらの口元から、勢いに溢れた白濁液が一筋、二筋と零れ落ちていく。しかし彼女は決して肉棒を口から離そうとはせず、タツヤの腰に手を回して、喉を鳴らしながら飲み込んでいく。その光景を見下ろしながら、タツヤの背中をゾクゾクとした感覚が走り抜けていく。塞き止められ続けて溜め込まれた快楽と、ほの昏い征服感がない混ぜになっていた。
 ほむらの行うフェラチオは、決して男性への奉仕ではなく己が思うままに相手を弄ぶ行為であり、タツヤにとっては彼女に奉仕させられている感覚だった。しかし今こうしてほむらの口内に精を放つ瞬間だけは、彼女を内側から汚していくような錯覚を覚えて、本能の滾りを押さえる事が出来ない。
 タツヤはほむらの肩に手を掛け、腰を突き出す。わずかに残った精液を、少しでも奥まで彼女の中に染み込ませたくなる。
 強引に口内を掻き回され、ほむらが目を丸くする。一瞬恨みがましげに見上げてくるが、しかしすぐに己の女陰を慰めていた手を止め、両手で彼の腰にしがみ付いてくる。固さを失うことなくいきり立ったままの肉竿を、喉奥まで届きそうなほど深く飲み込み、鼻を鳴らしながら精の残滓を搾り取ってくる。移りかけた主導権を奪い取り、組み伏せ、息の詰まる苦痛すらも快楽にすり替えているようだ。
「く、あ! ほ、ほむらさん、吸い過ぎ!」
 放ったばかりで刺激に敏感なタツヤの肉棒では堪えきれない。うめく彼の姿に満足そうに目を細めて、しかし喉まで使ったほむらの口淫は止むどころか激しさを増してくる。
 溢れた先ほどの精液と唾液と汗で、既にタツヤの股間もほむらの顔もドロドロになっている。あさましく顔を蕩かしながら、獣のように肉竿を味わい続けるほむらの姿に、再びタツヤの堰が崩れ去る。
「は、ぁぁぁ……」
 悲鳴にも似たため息と共に、先ほど以上の量と勢いでほとばしる精液を、しかしほむらはえずく事もなく、分かっていたかのように全て飲み込んでいく。
 彼女にしがみつかれたまま、ズルズルとタツヤは浴室の床にへたり込んでいく。足には力が全く入らない。二度目の射精ともに溶けて崩れてしまったかのようだ。
 頬をすぼめて最後の一滴まで絞りあげたほむらが、満足げにタツヤの股間から顔を上げる。
「ん……しばらくご無沙汰だったからかしら。とても濃かったわね」
 タツヤの太股の上に座り込み、見下ろしてくるほむらの姿は先ほどとは逆の構図であった。完全に力を失い萎びたタツヤのモノを左手で弄びながら、唾液と精液に塗れた口元を右手で拭い、ほむらはにっこりと笑う。
「もう。強引に喉まで突いてきて、ちょっと苦しかったわよ?」
「強引に風呂場に入ってきて無理やり人のチンポ咥えこむのもどうかと思うんですけど……」
 睨み付けるタツヤだったが、疲労に囚われて体を動かす事が出来ない。無防備なその姿が気に入ったのか、ほむらは彼の股間を弄ぶ手を止めようとはしない。
「いやもう、そんな立て続けにとか無理ですって」
「喉と胃袋にもらっただけで満足なんか出来る筈ないでしょう? ちゃんとココにも出してくれないと」
「だったら二回も口でヌかないで下さいよ!」
「若いんだから頑張りなさい」
 跨ったまま腰を動かしたほむらが、萎びたままのタツヤの肉竿に陰唇を擦り付けてくる。綻び蜜を垂れ流し続けている淫華に包み込まれ、タツヤの心臓が無節操に高鳴ってしまう。
「ほら……少しずつ固くなってきているわよ?」
「……男の生理的反応がにく……!」
 抗議は最後まで言い切らせてもらえなかった。身を屈めたほむらがタツヤの唇を塞いでしまったからだ。あれだけ吐き出した精液で塗れていた筈の彼女の唇からは、かすかな精臭も漂ってはこない。花の香りにも似た彼女の匂いがタツヤの鼻をくすぐり、脳の奥を蕩かしてくる。媚薬とはこういうものなのだろうか。理性がもがれていく感覚にタツヤはうめく。
 衝動に突き動かされるまま、タツヤも腕を伸ばしてほむらの背中を包み込む。腰から下に少しずつ力が戻ってくるのを感じる。それは同時に、萎びていた己のモノが再び固さを取り戻してきているという事だった。
「いい子ね、タツヤくん」
 唇を離したほむらが、満足そうに微笑んだ。彼女の手に包まれた肉竿は、既に先ほどまでの固さと大きさに成長を遂げている。
「どっちに向けて言っているんですか、それ」
「知らぬが花という言葉もあるわよ?」
 腰を浮かせたほむらは、亀頭を陰唇にあてがうと一息に腰を落とした。
「は、ぁ……! やっぱり、これじゃないと……!」
 己の体を貫く剛直を、身を震わせながらほむらは受け入れる。そしてタツヤも、すっかり馴染んだ柔肉の感触に満足げに息をつく。
 口内や喉肉の感触とはやはり違う。あくまで柔らかいのに、熱くそして隙間なくみっしりと締め付けてくる彼女の膣肉は格別だった。幾度味わっても飽きる事のない、淫らな彼女の肉体は、気だるい疲労を吹き飛ばして獣めいた欲望を彼の心に呼び起こしてくる。
 タツヤはほむらの腰を掴んで、力強く突きあげる。
「ひぁん!? いきなりぃ!」
「こうして欲しかったんでしょ! このエロ悪魔!」
 乱暴に吐き捨てて、タツヤは腰に力を込める。ベッドの上ではない、浴室の床は固く痛みを呼び起こすが、ほむらの肉体はそんな物を吹き飛ばす魔力で突き動かしてくる。
 もはや数え切れないほど味わってきたほむらの肉体は、しかしどれだけ突き穿ってもタツヤに奥底を覗かせようとはしない。しっとりと指に吸い付く滑らかな肌も、肉付きの良く張り出した尻も、全てがタツヤの好みを測りだして作り上げられたようだった。
 そのくせ胸が無いのを気にしているという落差が格別だった。どれだけ自分を悪魔だと言いはっても、その様はどこか人間臭くて好ましい。
 やっぱり、ほむらさん可愛いよな。
 そんな頭を掠めた雑音を振り払い、タツヤは彼女の体に進んで溺れていく。まかり間違って口にしてしまったら、大層酷い事になるから仕方ない。
「考えていること、顔に出てるわよ?」
「痛っ!?」
 胸を抓り上げられて、タツヤは顔をしかめた。眉を吊り上げていたほむらは、しかしその顔で満足したらしい。タツヤにあわせて腰を前後に擦り動かし、己の一番感じる場所を突かせようとしてくる。
 口でシている時も、こうして繋がっている時も。ほむらは常に主導権を握って手放そうとしない。
 悔しい。その思いを奥歯でかみ締めて、タツヤはひときわ強く腰を突き出す。
 分かっているのだ。自分が彼女の上に立つ事は出来ない。
「はぁ、あ。良いわ、タツヤくん……! イきそう……!」
「俺も、もう、限界……!」
 二度立て続けに吐き出していても、思った以上に早くタツヤにも限界が訪れてしまう。張り詰めた睾丸から駆け上り、今日三度目の精液がほむらの膣内に吐き出されていく。
「ふぁ、ああああああ……!」
 同時に達したほむらが、背中を反り返らせて快楽に身を震わせる。それを見届けたタツヤは、心地良い疲労感に引きずられて意識を手放していったのだった。









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